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Tonearm
SAT Pickup Arm
 

高度な精密機器として設計された、唯一無比の存在


Swedish Analog Technologies (SAT) は、機械工学と材料科学のプロフェッショナルである、Marc Gomez (マーク・ゴメス)氏により、2010年に
スエーデンのヨーテボリにて設立された、新しいブランドです。Marc Gomez 氏は、自身の精密機器と複合材料の知識と経験をもとに、高度な機械的精密機器としてのアプローチでトーンアームの開発を行い、SAT Pickup Arm として完成させました。

彼は自身の製品を「トーンアーム」とは呼びません。「トーン」という言葉には、何か音響的、楽器的な意味合いが込められているからです。
Pickup Arm (ピックアップアーム) と呼んでいるのは、「音響的・楽器的」な曖昧さを徹底的に排除した、カートリッジのピックアップ性能を100%損なわない非常に高度な機械的性能を持ったアームを実現することが狙いだからです。

従って、実際の設計にあたっての材料や形状の決定は、「サウンド」や「トーン」を調整するための選択ではありません。全ての設計の基本は、機械的な必要条件を満たすことであり、実際の作業は常に物理学で立証された法則やエンジニアリングの実践に基づいています。

SAT Pickup Arm は、カートリッジに対して、揺るぎなく非常に安定した力学的プラットホームを提供することを目的としています。そのために、「剛性」を高めるということに最大限の配慮をしています。SAT Pickup Arm のラインナップには 9 インチのショートアームがあるだけで、12 インチのロングアームは存在しませんが、これは、12 インチアームが、剛性という見地から見ると 9 インチには絶対にかなわないからです。12 インチアームのメリットは、9 インチに比べると理論上トラッキングディストーションが小さいことですが、このことは理論的にみてもごくわずかなことです。

また、SAT Pickup Arm は、上記目的のために、各部接合部に「遊び」を一切設けずに組み立てられています。このことを現実の組み立てで実現させることは非常に大変で、そのため全てのパーツは一品ずつハンドメイドされ全てのパーツの嵌合を確認して、実際の組み立ては Marc Gomez 氏自身が全ておこないます。このため、年間の生産量はわずか20本程度とされ、トーンアームの中では他に類を見ないほど高額なものとなってしまいますが、これは、「工芸品」としての価値ではなく、「高度な精密機器」としての完成度を追求した結果の必然なのです。

主な特徴

カウンターウエイト取り付け部からヘッドシェル部まで一体となったカーボンコンポジット・アームチューブ

このアームのもっとも重要でもっとも高価な部品が、アームチューブとヘッドシェルです。
これらは一体ずつ、非常に高価なカーボンファイバー・プリプレグを使ってハンドビルドします。カーボンファイバー・プリプレグを20層にも積層してオートクレーブ養生を施したらすぐにCNCマシンで加工をおこないます。アームチューブは十分な減衰効果を持つポリマーでラミネートされています。カーボンコンポジットによるアームチューブは、同じ長さと質量を持つ他のどの既存のアームよりもはるかに高い剛性と内部損失を持っています。このことにより、カートリッジがレコードをトラックするアームの振動をより小さく抑えることができ、より正確な信号再生を生み出すことにつながるのです。

ヘッドシェル部はアームチューブと同じカーボンファイバー・プリプレグを40層重ねて切削加工しているため、アームチューブ同様に非常に剛性が高く、軽量です。アームチューブと同素材のカーポンファイバーコンポジットをヘッドシェルに採用することにより、ヘッドシェルからアームチューブへのエネルギー伝達の効率が格段に良くなっています。また、ヘッドシェル部はアジマス調整のために回転させる機能を持っています。

調整可能、ジンバル構造のマッシブなベアリング

高直径タングステンカーバイドピボットをサファイヤV型軸受けに載せた、SATアームのために特注されたベアリング構造を採用。これはスラグを除去し摩擦係数も非常に低く保ちます。またベアリング部には与圧をかけることも可能で、水平垂直両方向で特別な工具を使って調整可能です。これにより様々なカートリッジの特徴に合わせて結合性を向上させたり、または摩擦をより抑えるようにとアームをカスタマイズすることができます。

アームチューブだけではなく、それを支える構造にもまた剛性が必要です。水平垂直両方向のベアリングヨークは、剛性を生み出すために非常に堅牢な作りになっています。高直径ピボットとジンバル構造でのマッシブなヨークを組み合わせることにより、アームが両方向で自由に動くことができる非常に剛性の高いプラットフォームが実現しています。

動的にバランスがよい設計

水平、垂直の回転軸はアームの重心に位置し、イナーシャの主軸はこの回転軸と一致しています。そのためこのアームは動的にバランスが大変よいアームとなっています。つまり1つの軸の角加速度が他の軸のトルクを誘導しません。アームが上下動の歪みにさしかかっても、カンチレバーが横に振れるようなことはありません。

マッシブなアームベースとアームピラー(台柱部分)

アームの高さはネジで調節可能です。ローレットナットを手で回して正しい位置に固定します。アームベースは従来のような固定ネジではなくタレットをクランプで固定するので、がっちりアームを支えられるようになりました。高さは最適な VTA / SRA 設定を見つけられるよう演奏中でも調節可能です。調節したらアームベースを固定すればアームはクランプでターンテーブルに十分な強度を持って固定されます。ターンテーブルにアームがしっかりと固定されることは、アームが振動に抵抗するための非常に重要なファクターです。アームだけでなくターンテーブル全体の質量を持って針先の振動に対抗できるからです。参考までに、ピラーは直径40mmの無垢ステンレス製、アームベースは直径80mmのアルミ製です。

Specifications

 

形式:
ピボット=スピンドル間:
オーバーハング:
有効長:

9 inch トーンアーム
212.2mm
22.8mm
235mm
※1.2m フォノケーブル標準付属(端子はご注文時に指定下さい)
※専用ヘッドシェルは交換可能