TechDAS | Analogue Turntable
アナログサウンドの可能性を拓いた革命的モデル
Air Force One
Analogue Turntable
アナログソースの潜在的な能力を世に知らしめた革命的なアナログターンテーブルです。この音を聴くとアナログレコードにはここまでの情報量が入っていたのか!と驚くこと必至です。
アナログ再生は、音楽の空気の振動がそのまま刻み込まれたレコード盤を針先がなぞることによって、針先の振動を再び音楽の空気の振動へ変換する大変に精妙な、振動と電気が織りなす系です。レコード盤の溝に刻まれたミクロな信号はミクロな振動として針先が拾い出します。針先がミクロな振動を正確に拾うには余分な振動があってはならないというごく簡単な事実が、精度の高いアナログ再生を困難にしていました。余分な振動の大部分はスピーカーから発せられる音楽が元となっています。スピーカーからでた空気の振動(音)は我々の鼓膜を振動させるのと同様に、空間のあらゆるものを振動させます。お部屋の壁や床はもちろん、レコード演奏しているプレーヤーも振動させています。
Air Force One は ” 空気の力 ” で振動の影響をシャットアウトすることを実現させました。Air Force One が利用している ” 空気の力 ” は3つ。それはエアーサスペンション、エアベアリング、ディスク吸着です。これらを順を追って解説してまいります。
エアーサスペンションとエアーベアリング
アナログターンテーブルにとって最も厄介な問題の1つは、床を伝わる振動をいかに遮断するかです。同じ床面に設置したスピーカーの振動や人の動きなどで生じる振動がターンテーブルに伝わると、音質に悪影響がを及ぼすばかりか、様々な問題の原因となります。多くのターンテーブルでは、スプリングや緩衝材などで床からの振動遮断を計りますが、Air Force One では機械的結合を最小にできるエアーサスペンションを採用いたしました。3つの大型フットに内蔵されたエアーサスペンションは共振周波数を可聴帯域外の低域に追いやることができるように充分な大きさを持ち、外部振動をかつて無いレベルまで遮断いたします。
レコード盤を載せて回転させるプラッターは、ベアリングを使用した一般的な軸受け機構を使用しない、独自のエアーベアリング方式を採用しています。重量級プラッターが空気の力でわずかに浮上することにより、回転系にはベアリングによる機械的接点がありません。このことがアナログレコード再生につきものであった無音状態での暗騒音を解消し、再生音に圧倒的な静寂性をもたらします。
またエアーベアリングによる浮上方式のメリットはプラッターを重くすることが可能になることです。Air Force One では標準仕様でプラッター重量 23 kg、ステンレスアッパー仕様で 30 kg とかなりの重量級プラッターを採用していますが、これは通常の一般的なベアリングでは耐荷重的に相当な無理を強いることになり、ベアリングの耐久性と接点部分の S/N の劣化などでまったく実用的ではありませんが、Air Force シリーズのエアーベアリングではこのような制約は一切ありません。
ディスク吸着システム
エアーサスペンション、エアーベアリングに続いてもう1つの ” 空気の力 ” がディスク吸着です。プラッター表面にレコード盤を載せてディスク吸着 ” SUCTION ” ボタンを押すとエアーポンプがプラッターとレコード盤の間の隙間の空気を吸って真空状態を作り出し、レコード盤とプラッターを一体化させます。このディスク吸着はただ単に反りのあるレコードを平らにするというだけの機能ではありません。ペラペラのレコード盤を重量級のプラッターと一体化させることによって等価的に重量級のレコード盤を作りだすことが大きな目的です。こうすることにより、レコード盤が空気を伝わる振動(音)の影響を受けることがなくなります。
またもう1つのメリットは針先の振動とレコード盤との関係です。針先がレコード盤をなぞって振動するということは、同時に針先がレコード盤を揺さぶっていることになります。学校の物理(理科)の時間に教わる作用反作用の法則によるものです。針先がレコード盤を揺さぶる力はとても小さいミクロなレベルですが、それでも針先のトレースの邪魔をしてしまい、人間の聴力はそれを聞き取ってしまうのです。レコード盤が重量級プラッターと一体化することで、作用反作用力によるレコード盤の動きはグッと抑えることができ、特に大振幅の低音部などで針先のトレース能力が格段に向上するのです。
シャーシコンストラクション
本体シャーシは物性の異なる2種類のアルミ合金を粗相した3層サンドイッチ構造を採用し固有共振の発生を抑えています。最下部のベースシャーシと最上部のトップシャーシにはマグネシウムとの合金である A5052 材を使用し、中心部には航空機グレードの強度と振動減衰特性を持超超ジュラルミン A7075 材を採用いたしました。シャーシ重量は合計で 43kg にも達し、あらゆる音楽の土台をしっかりと支える役割を果たします。
メイントーンアームとしては 9 inch または 10 inch と呼ばれるショートタイプを取り付けることができます。Air Force ターンテーブルはトーンアームを標準付属しておりませんのでトーンアームは別途ご用意ください。ご注文時に使用するトーンアームを指定していただくことで、それに応じた穴加工を施した状態でターンテーブルは納品されます。またオプションで 12 inch (ロングタイプ ) のトーンアームを本体背後側に追加することが可能です。この場合は別売のサブトーンアームベースウィ本体背面に装着する必要があります。
The Main Platter
レコード盤を載せて回転させるプラッターも重量級シャーシに相応しく超重量級です。プラッターはメインプラッターの上部にアッパープラッターを組み合わせる構造を採用しており、内部には約1.1リットルのエアチャンバーを有しています。ディスク吸着時にはこのエアチャンバーでエアリップルを排除するとともに、負圧により両プラッターを密着させる機能も備えており共振・共鳴の発生をさらに抑え込んでいます。メインプラッターは非磁性ステンレス SUS316L 材を使用。切削による磁性化を防ぐために入念な鍛造加工により仕上げています。このメインプラッターの重量は 19kg に達し回転時には極めて大きなイナーシャを生み出します。レコード盤に接するアッパープラッターは音質の好みに応じて選択できるように、超超ジュラルミン(A7075) と非磁性ステンレス (SUS316L) の2種類の材質をご用意しております。
ドライブシステム
重量のあるプラッターを短時間で定速回転させ、かつ回転の安定性を確保する観点から、ドライブシステムは伸びのない布ベルトドライブ方式を採用しています。ベルト材質は幅 4mm のポリウレタン平繊維ベルトで、表面は研磨面が滑らかで耐久性と静粛性に優れています。
ドライブモーターは、本体シャーシから隔離して設置された頑丈なアルミニウムハウジングに収納されています。モーター部はトータル重量 6.6 kgを有するACシンクロナスモーターで、これを回転スピード自動調整回路と2相DCアンプ回路により駆動します。この回転スピード自動調整回路は、ベースに取り付けられた非接触センサーによりプラッター1回転ごとの回転誤差を検出し、マイクロプロセッサによる制御でスピードを補正します。指定速度に達すると回路はロックし、その速度が維持されます。同時にドライブモーターの駆動電圧が半分になり、モーターからの振動を一段と低減させます。モーターは大きなイナーシャにより安定回転しているプラッターを補助する役目に切り替わり、比類のない静粛性と非常に高い回転精度が確保されます。回転スピードは 33.3 rpmと 45 rpm をスイッチで切り替えます。さらに各定速に対し ±0.1% ステップでのピッチコントロール機能を搭載いたしました。レコードに合わせての楽器演奏時などに好みのピッチでの再生が可能になります。
エアーポンプ・パワーサプライユニット
Air Force One は、ターンテーブル本体の他に2つの筐体ユニットで構成されます。ひとつはエアポンプと電源部を内蔵したユニットです。プラッター浮上用とディスク吸着用として2つのエアーポンプが使用されています。それぞれのエアーポンプは、アルミダイキャストケースに収められた高性能モーター駆動エアポンプで、従来のエアーポンプに比べて比類のない静粛性を実現し、さらに独自のラバーサスペンションを介して固定されることにより、微小振動を徹底的に排除しています。また、エアーポンプ機構に加えてモーター駆動、回転制御回路、動作回路、LED用の合計4つの異なる電源がこのユニットに含まれています。専用電源部をターンテーブル本体から分離することでカートリッジから伝達される電気信号への干渉を皆無としています。
もう1つの小型の黒い筐体は、エアーポンプからの空気を一旦溜め込んで送り出すためのエアーコンデンサーユニットです。空気圧によって膨張収縮しない強化ガラスチャンバーによるエアーコンデンサーによりポンプから送り出される空気の脈流を取り去り、極めて平坦なエアーフローを得ています。
プラッター表面をホコリから守るアクリル製プラッターカバーを標準装備。 言うまでもなく、埃はアナログレコードの大きな敵です。表面に埃が付着した状態でレコード盤をプラッター上に置くと、埃はレコードの溝の奥深くに埋め込まれ、それを放っておくと硬く固着してしまうことさえあります。レコードプレーヤー、特にレコード盤が触れるプラッター表面は埃から守られる必要がありますが、プレーヤー全体をカバーするダストカバーではカバー自体が大きくなり過ぎて取扱しにくいという問題も孕んでいます。このような問題を回避するためのソリューションとして、Air Force One にはプラッターとの接触面のみを覆うアクリル製プラッターカバーが標準装備されています。
エアーポンプ / 電源ユニットとエアーコンデンサーユニットを収めることができる専用ラックをご用意しています。(写真は Air Force One Premium のものです)
スペック Technical Specification
ターンテーブル本体+モーター部
シャーシ
異種アルミニウム合金3層構造, 重量 43 kg
メインプラッター
非磁性鍛造加工ステンレス(SUS316L), 重量 19 kg
アッパープラッター
下記2種より選択
超超ジュラルミン(A7075) 4kg
ステンレス (SUS316L) 11kg
総慣性モーメント
(A7075アッパープラッター装着時) 3,015 kg・㎠
(SUS316Lアッパープラッター装着時) 3,794 kg・㎠
駆動方式
布ベルトドライブ (特殊表面研磨ポリエステルベルト)
駆動モーター
AC シンクロナスモーター
回転数
33.3rpm / 45rpm スイッチ切替え式、回転スピード微調整機構付き
ワウフラッター
0.03%以下
本体総重量
73kg (標準値・A7075アッパープラッター装着時)
設置に必要な寸法の目安
680(W) × 480(D)mm
エアーポンプ/ 電源ユニット
消費電力
60W
外形寸法・重量
430(W) × 160(H) × 240(D) mm, 10kg
(設置時は奥行き方向に300mm必要)
エアーコンデンサーユニット
外形寸法・重量
260(W) × 160(H) × 240(D) mm, 4kg
(設置時は奥行き方向に280mm必要)
付属品
トーンアームベース(アルミニウム+ウッド)
ご使用トーンアームに合わせて加工いたします。
トーンアームによっては別途加工賃がかかる場合があります。
アクリル製プラッターカバー
サスペンション用エアーポンプ
ケーブル類一式、エアホース類一式、プラッター交換用工具一式
取扱説明書
オプション用品
追加用トーンアームベース(アルミ/ステンレス/チタン)
メインアーム交換用とサブアーム追加用がございます。
ターンテーブル本体+モーター部 | |
シャーシ | 異種アルミニウム合金3層構造, 重量 43 kg |
メインプラッター | 非磁性鍛造加工ステンレス(SUS316L), 重量 19 kg |
アッパープラッター | 下記2種より選択 |
総慣性モーメント | (A7075アッパープラッター装着時) 3,015 kg・㎠ |
駆動方式 | 布ベルトドライブ (特殊表面研磨ポリエステルベルト) |
駆動モーター | AC シンクロナスモーター |
回転数 | 33.3rpm / 45rpm スイッチ切替え式、回転スピード微調整機構付き |
ワウフラッター | 0.03%以下 |
本体総重量 | 73kg (標準値・A7075アッパープラッター装着時) |
設置に必要な寸法の目安 | 680(W) × 480(D)mm |
エアーポンプ/ 電源ユニット | |
消費電力 | 60W |
外形寸法・重量 | 430(W) × 160(H) × 240(D) mm, 10kg (設置時は奥行き方向に300mm必要) |
エアーコンデンサーユニット | |
外形寸法・重量 | 260(W) × 160(H) × 240(D) mm, 4kg |
付属品 | |
トーンアームベース(アルミニウム+ウッド) | ご使用トーンアームに合わせて加工いたします。 |
アクリル製プラッターカバー | |
サスペンション用エアーポンプ | |
ケーブル類一式、エアホース類一式、プラッター交換用工具一式 | |
取扱説明書 | |
オプション用品 | |
追加用トーンアームベース(アルミ/ステンレス/チタン) | メインアーム交換用とサブアーム追加用がございます。 |