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砲金製プラッターが魅力のフルサイズモデル

Air Force Two Premium

Analogue Turntable

先行して販売した Air Force Two の上位モデル Air Force Two Premium 開発にあたっての目標は、トップモデル Air Force One に匹敵する「音楽性」の獲得でした。この開発にあたっては、 Air Force One と Air Force Two の決定的な違いであるメインプラッターの材質にフォーカスしました。One のプラッターはステンレス製であるのに対して オリジナル Two ではアルミニウムを採用いたしましたが、重量の違い以上に金属の物性の差がサウンドに漂う「香り」を決定づけていることはオリジナル Two の開発段階で判明しておりました。そこで Two Premium の開発ではこのプラッター材質にメスを入れたのです。

度重なる試行錯誤の結果、Two Premium ではプラッターを砲金製といたしました。銅と錫の合金である砲金は、アナログオーディオ全盛の時代より馴染みのある素材です。金属としては柔らかく粘りのある性質がサウンドにそこはかとない色彩を与えるとともに、もう1つの特徴である重量がサウンドに更なるスケールを付け加えています。

過去のアナログターンテーブルに採用されていた砲金製プラッターは中空の釣鐘型構造をしているものがほとんどでしたが、Two Premium では精密鋳造と表面研磨によるソリッド構造の砲金プラッターとしていることが大きな特徴です。最終的にプラッター自体の重量は 34 kg にも達しています。このような重いプラッターを使用することができるのもTechDAS のエアーベアリングのメリットの1つです。

 

正確なレコード再生に絶対的に必要な Air Force テクノロジー

レコード盤の細い溝には音楽信号がそのまま刻み込まれています。その細い溝を針先がこすって振動することにより音楽信号を拾い出し、それを電気信号に変換するのがいわゆるアナログプレーヤーの役割です。溝をこする針先の動きは非常で微細で、しかも、無音に近いような弱音部ではその動きはさらに小さくデリケートなものとなります。ターンテーブルの役割は、針先がレコード盤からミクロな信号を正確に拾い出すことのできるプラットフォームを提供することに他なりません。ターンテーブルは単にレコード盤を回すためだけのものではないのです。

ターンテーブルに求められる性能は、安定的かつ滑らかに回転するということが最低限必要なことですが、これは言葉で言うのは簡単ですが実現することは全く簡単ではありません。実現には大きな質量による大きなイナーシャを持つプラッターが必要になりますが回転するシャフトの下にあるベアリングに大きな荷重がかかることでそれ自体が振動の発生源となってしまい、プラッターの重さはどこかで妥協せざるを得ません。

またレコード盤の反りの問題もあります。反ったレコード盤を針先がこする時、針先は大きく上下動いたします。ミクロな振動を拾い出す針先にとってレコード盤の反りはまるでジェットコースターに乗っているかのごとき大きな振幅で、これで影響が無いわけがありません。

従来のターンテーブル設計では、ベアリングの機械加工方法の改善やレコード盤にスタビライザーを乗せることによる反りの低減、プレーヤー全体のスプリングのサスペンションなど、さまざまな試みがありましたがどれも相反する要素のバランスをとりどこかで妥協し折り合いをつけるしかなく、決定的なソリューションはなかったというのが事実です。

TechDAS の Air Force テクノロジーは、まさに革命的なソリューションを提供いたします。エアーで浮上したプラッターは従来のベアリングのような機械的な接点を持たず自身が振動源となることなく滑らかに回転いたします。またエアーで浮上させることによりプラッターの質量に対する制約が無くなり、十分に重いプラッターを使用することが可能となります。レコード盤を吸着させることによりレコード盤は真っ平となり、かつ、薄くて軽いレコード盤が重量のあるプラッターと一体化することによりレコード盤に盤石の安定性をもたらし、針先のトレース能力を飛躍的に向上させます。

プラッター浮上とディスク吸着

Air Force Two Premium では、他の Air Force シリーズと2つの主要なコアテクノロジーを共有しています。プラッター浮上(エアベアリング)とレコード盤吸着です。

安定したなめらかな回転はターンテーブルが絶対的に必要とするものです。理想的な回転を実現するには、慣性(イナーシャ)を十分に大きくする必要があり、そのためハイエンドターンテーブルには重量級のプラッターがつきもので、Two Premium もその例に違わず砲金製プラッターの重量は 34kg に達します。しかし従来のターンテーブルの設計では、このような重いプラッターは軸受に過剰な負荷をかけ摩擦振動を発生させて、かつ回転精度も低下させていました。

Air Force Two Premium では、Air Force テクノロジーの1つ、エアベアリング(プラッター浮上)のおかげでこのような問題は発生しません。Air Force テクノロジーでは、センターシャフトは単に位置決めのために存在しています。電源オフの状態ではプラッターはシャーシ上部のガラスプレートの表面に接地しています。電源をオンにするとエアーポンプが作動し、ガラスプレートとプラッターとの境界面にエアーが供給され、プラッターはガラスベースから0.01 mm(10μ)程度浮上します。回転をオンにすると静かにスムーズに回転し始めますが、負荷のかかる機械ベアリングが存在せず、摩擦などの振動や再生音に影響を与える暗騒音が発生しません。これにより、最高レベルの静寂性と完璧な安定性が実現しました。

もう1つのエアーテクノロジーが空気の力によるレコード盤吸着です。プラッター自体は非常に静かに、かつ最高の精度で回転していたとしても、レコードが反っているとトーンアームに垂直方向の動きが発生し、針先に不要な力が加わることにより振動や共振が発生いたします。このような状況では、針先のトレース能力は不安定となりレコード盤から音楽信号を忠実に拾い出すことはできません。同時にトーンアームも垂直方向に動くことにより針先はトーンアームの共振の影響も受けます。加えて反ったレコード盤はスピーカーから発せられる音楽による空気の振動の影響も受けやすくなります。音楽の振動によるレコード盤の共振振動を針先が再びピックアップしてしまうことによりフィードバックループを発生させ音楽信号を汚してしまいます。レコード盤の上にスタビライザーを載せることは反ったレコード盤の問題の解決策として推奨されることがよくありますが、これらの問題を完全に解決するわけではありません。

レコード盤吸着システムは、コントロールパネルの SUCTION ボタンを押すことにより、レコード盤とプラッターの間のエアーを吸引しレコード盤をプラッター表面に密着させます。このことはレコード盤を真っ平にすることにより針先の上下動をなくすというメリットの他に、ペラペラのレコード盤が重いプラッターと一体化するというメリットも生まれます。プラッターに密着したレコード盤は 30kg 以上の質量を得たことと等価となり、スピーカからの音楽信号による空気の振動の影響を遥かに受けづらくなるとともに、盤面が盤石の安定性を得ることで針先のトレース能力が飛躍的に向上します。

ハイブリッドサスペンションシステム

Air Force One シリーズで採用されているエアサスペンションはトップレベルの防振性を備えていますが、空気の充填とレベル調整定期的に行なう必要があります。Air Force Two シリーズの設計にあたっては、この問題に対処するため、同等の防振性を維持しながらメンテナンスフリーを実現させることを念頭に再設計いたしました。Air Frce Twoシリーズ用に開発されたサスペンションは、Two シリーズのシャーシ重量に対応し、かつその重量を4本のサスペンションそれぞれに適切に分散するように設計されています。 このユニークなサスペンションはエアーとオイルのハイブリッド構造を採用しております。上部のエアチャンバーと中央のゴム製ダイアフラムで構成され、内部にスプリングとオイルを封入しています。このダイヤフラムは小さな穴を通して上部チャンバーに接続されており、床からの振動はダイヤフラム内部のオイルとチャンバー内の空気によって減衰されます。少し複雑な機構ではございますがメンテナンスフリーで優れた防振性能を発揮いたします。

プラッターの下には平面度を高めた硬質ガラスが使用されており、空気ガラス表面にエアーを送り込むことでプラッターとガラス面の間に約 10 ミクロンの隙間をつくりだします。

Air Force Two シリーズを設計する上でもっとも困難な作業は、上位モデル Air Force One シリーズのパフォーマンスを可能な限り維持しながら大幅なコスト削減を達成することでした。

Two シリーズではハイエンドターンテーブルならではの重量を維持してコストダウンを実現させるために、本体ボディを金属切削ではなく精密鋳造といたしました。上部ピースと下部ピースによる2層構造の鋳造シャーシの総重量は 33 kg に達し、エネルギーに満ちたアナログサウンドの土台をしっかりと支えます。この重量級のシャーシこそが Air Force Two シリーズの魅力そのものと言えます。

Two Premium は本体の他に、電源とエアーポンプ / エアーコンデンサーを納めた2つの筐体で構成されます。 Two シリーズではメイントーンアームとしてショートタイプ(9 inch または 10 inch)が取り付け可能です。ご注文時にご使用になるトーンアームベースをお申し出ください。トーンアームに合わせてアームベースの穴加工を行います。またオプションでロングタイプ(12 inch)のトーンアームを増設可能です。

電源 / エアーポンプユニット

Air Force Two Premium は、ターンテーブル本体の他に2つの筐体ユニットで構成されます。ひとつはエアポンプと電源部を内蔵したユニットです。プラッター浮上用とディスク吸着用として2つのエアーポンプが使用されています。それぞれのエアーポンプは、アルミダイキャストケースに収められた高性能モーター駆動エアポンプで、従来のエアーポンプに比べて比類のない静粛性を実現し、さらに独自のラバーサスペンションを介して固定されることにより、微小振動を徹底的に排除しています。また、エアーポンプ機構に加えてモーター駆動、回転制御回路、動作回路、LED用の合計4つの異なる電源がこのユニットに含まれています。専用電源部をターンテーブル本体から分離することでカートリッジから伝達される電気信号への干渉を皆無としています。

プラッターカバー付属

プラッター表面をホコリから守るアクリル製プラッターカバーを標準装備。 言うまでもなく、埃はアナログレコードの大きな敵です。表面に埃が付着した状態でレコード盤をプラッター上に置くと、埃はレコードの溝の奥深くに埋め込まれ、それを放っておくと硬く固着してしまうことさえあります。レコードプレーヤー、特にレコード盤が触れるプラッター表面は埃から守られる必要がありますが、プレーヤー全体をカバーするダストカバーではカバー自体が大きくなり過ぎて取扱しにくいという問題も孕んでいます。このような問題を回避するためのソリューションとして、Air Force One にはプラッターとの接触面のみを覆うアクリル製プラッターカバーが標準装備されています。

スペック Technical Specification

ターンテーブル本体+モーター部

シャーシ

精密鋳造アルミニウム(AC4C) / ハンマートーン塗装 / 重量 33 kg

メインプラッター

砲金 / 表面保護塗装 / 重量 34 kg

総慣性モーメント

4,148 kg・㎠

駆動方式

布ベルトドライブ (特殊表面研磨ポリエステルベルト)

駆動モーター

AC シンクロナスモーター

回転スピード

33.3rpm / 45rpm スイッチ切替え式、回転スピード微調整機構

ワウフラッター

0.03%以下

本体総重量

71kg

外径寸法

684(W) x 176(H) x 450(D) mm

設置に必要な寸法の目安

684(W) × 480(D)mm

エアーポンプ+電源ユニット

消費電力

60W

外形寸法・重量

430(W) × 175(H) × 370(D)mm,10kg

(設置時は奥行き方向に430mm必要)

エアーコンデンサーユニット

外形寸法・重量

260(W) × 160(H) × 240(D)mm,4kg

(設置時は奥行き方向に280mm必要)

付属品

トーンアームベース(アルミニウム+ウッド)

ご使用トーンアームに合わせて加工いたします。
トーンアームによっては別途加工賃がかかる場合がありす。

アクリル製プラッターカバー

ケーブル類一式、エアホース類一式、プラッター交換用工具一式

取扱説明書

オプション用品

セカンドトーンアーム用ベース(アルミ)