Vivid Audio | GIYA Series 2

スピーカーの歴史を塗り替えた名機が第二世代に進化。

アブソーバー・チューブによるウーファーキャビネット

GIYA シリーズが纏う特徴的なフォルムは、ウーファーにアブソーバー・チューブを採用していることに由来しています。ドライバーユニットは原理的に、外に放出する音響エネルギーと同じ量のエネルギーをキャビネットの内部にも放出しています。特に低音部を担当しているウーファーともなると莫大なエネルギーをキャビネット内部に放出しており、このエネルギーがスピーカーキャビネットを「共振」させてしまうのです。 アブソーバー・チューブは、チーフエンジニアであるローレンス・ディッキーが B&W 社在籍時代に開発した彼オリジナルのアイデアで、キャビネット内部に放出されたエネルギーを効率よく自然に減衰させるための極めて優れた手法ですが、 ウーファーのキャビネットにアブソーバー・チューブを採用したのは、GIYA シリーズが完成する以前にはディッキーが B&W社 で完成させたオリジナル・ノーチラスのみでした。これはキャビネットをテーパーチューブ状に形作ることが大変な困難を伴うために、ディッキーが去った後の B&W 社では技術的に実現が不可能になってしまったからに他ありません。 GIYA の技術的な核心部分は、ウーファーにアブソーバー・チューブを採用したこと。またアブソーバー・チューブとバスレフを組み合わせることにより、アブソーバー・チューブの効果を落とすことなくチューブの小型化を実現させたところです。このことによりキャビネットの共振が皆無な透明でパワフルなサウンドが得られたのです。

アブソーバー・チューブとバスレフの両立

ローレンス・ディッキーが B&W 時代に開発した「オリジナル・ノーチラス」スピーカーは、アブソーバー・チューブを初めて使用した革命的なスピーカーシステムでしたが、致命的とも言える欠点がありました。それは、ウーファーの音圧レベルが他のドライバーユニットに比べて著しく低かったことです。この致命的な欠点のために、オリジナル・ノーチラスは一台のアンプで使用することができず、専用のアクティブクロスオーバーを介してマルチアンプ方式とせざるを得なかったのです。このことによりウーファーのダイナミックレンジに制限が加わってしまったことも更なる欠点としてあげられます。 ディッキーはウーファーにアブソーバー・チューブを適用させるにあたり、オリジナル・ノーチラスの欠点を克服する必要がありました。ウーファーの音圧レベルを確保して十分なダイナミックレンジを得ること、しかもアブソーバー・チューブを完全動作させること。このある意味背反する二つの目標を実現するディッキーのアイデアは、アブソーバー・チューブにバスレフ方式を組み合わせることでした。このアイデアは当初、なかなかうまく行きませんでしたが、度重なるシミュレーションと実験の結果、アブソーバーチューブのカットオフ周波数とバスレフポートの共振周波数をうまく設定することにより動作することを発見し実用化に成功。GIYAシリーズでは、ダイナミックなベースと、アブソーバー・チューブによる共鳴・共振の無い透明なサウンドを見事に両立しています。

すべてのドライバーユニットはローレンス・ディッキーの設計により完全内製

GIYAシリーズをはじめとする VIVID audio のすべてのドライバーユニットはディッキー自身が設計し内製化。ドライバーユニットを自社製造しているスピーカーブランドは数あれども、スピーカーシステムをまとめあげるエンジニアが自らドライバーユニットを設計する例は他社にはありません。ディッキーが自らドライバーユニットを設計するということは、システムの完成形を頭に思い浮かべながらドライバーユニットを設計できるということです。システムの特性を完全に把握してそれに合わせてドライバーの設計を微妙にアジャストすることができることが、 VIVID audio のサウンドの完成度の高さの秘密です。

すべてのドライバーユニットに同一素材のダイヤフラムを使用

VIVID Audio では、ツイーターからウーファーまでのすべてのドライバーユニットに同一の振動板素材を使用しています。振動板の素材が異なると素材の持っている物性も異なり、音響的には音速の違いとなって現れます。この音速の違いがサウンドにクセを生じさせます。ツイーターからウーファーまですべての帯域で使用できる振動板素材は実はそれほど多くありません。他ブランドでツイーターに使用されているダイヤモンド振動板ではウーファーを作ることは不可能ですし、ウーファーやミッドベースに使用されるケブラー繊維ではツイーターは作れません。設計者 ローレンス・ディッキーにとって理想の振動板素材はアルミ合金でした。アルミ合金であればウーファーにもツイーターにも使用でき、すべての帯域で素材を揃えることができるのです。素材を統一することにより、全帯域にわたってサウンドのクセが生じず、あたかも超ワイドレンジなフルレンジスピーカーが鳴っているようなサウンドの一体感を得ることができるのです。

拡散性を高める新開発ディフューザーをツイーターとミッドレンジに装備

GIYA シリーズの特徴的な外観デザインは S2 シリーズでもまったく変わりません。ウーファーにアブソーバーチューブを採用し音響的な理想を追求したエンクロージャ―デザインは究極の完成形であり、変更の必要性はまったくありません。唯一、外観で変わった部分はツイーターとミッドレンジに装着されたディフューザーです。これこそが、GIYA 第2世代を象徴する新たなテクノロジーです。 設計者 ローレンス・ディッキーは全周波数帯域にわたる指向性まで含めた音響特性をさらに均一にすることが正確な音場再現性を飛躍的に高めることを発見。指向性にクセの出やすい中高域の拡散特性を向上させるための新しいアイデアがツイーターとミッドレンジのディフューザーです。 気の遠くなるようなコンピューターシミュレーションと、数十回にわたる試作の結果得られた最適形状のディフューザーにより、ダイヤフラムにかけるロードを厳密にコントロール。拡散特性の大幅な改善を実現させました。

スペック Technical Specification

システム構成

4 ウエイ 5 スピーカーシステム

エンクロージャー

グラスファイバー強化樹脂
中心に軽量発泡樹脂を挟んだ3層サンドイッチ構造

スタンダード・キャビネットカラー

マルチコーティング塗装

本体スタンダード色

ピアノ・ブラック / パール・ホワイト
ボローロ・レッド

特注色(オーダーカラー)も可能

ドライバー

ツイーター

D26S - 26mmドーム + アブソーバー・チューブ

ミッドレンジ

D50S - 50mmドーム + アブソーバー・チューブ

ミッドベース

C125-75S - 170mmコーン + アブソーバー・チューブ

ウーファー

2 x C225 - 250mmコーン
( 1 pair x リアクションキャンセル・ウーファー )

スペック

能率

92 dB / 2.83V rms / 1m

インピーダンス

6Ω nominal、4Ω minimum

周波数帯域

25 Hz - 36 kHz(-6dB)

高周波歪み率

0.5%以下(全周波数帯域内)

ツイーター D26S・ブレークアップ周波数

44 kHz

クロスオーバー周波数

220 / 880 / 3,500 Hz

最大許容入力

800W

寸法

寸法

1700(H)x 440(W) x 800(D)mm(最大寸法)

重量

75kg