Ypsilon | Tube Phono Stage

VPS-100 SE

Tube Phono Stage

増幅デバイスにこだわり抜いたフォノアンプ

微小信号を取扱うフォノアンプにとって、増幅デバイスに何を使用するかはサウンドを決定する大きなファクターとなります。微小信号の電圧増幅という目で見ると、ソリッドステートよりも真空管の方がソースに忠実なサウンドを得られますが、MCレベルを増幅するだけのゲインを得るには真空管では困難を伴います。 Ypeilon ではフォノアンプを構成する増幅デバイスとしてソリッドステートから真空管に至るまでありとあらゆる検討を行った結果、Siemens の数十年前に製造中止となっている真空管、C3g にたどり着きました。ありとあらゆるデバイスの中で、この C3g がもっともオープンで透明、ナチュラルなサウンドを持っていたのです。

39 dB 固定ゲイン、MM専用フォノアンプ

VPS-100 SE で使用されている増幅デバイスは、既に生産を終了しているビンテージ管 Siemens C3g ですが、Ypsilon 社では十分な数量の真空管を確保しており、アフターサービスは全く心配ございません。この素晴らしいサウンドの真空管を最大限活かすことを目的に、このフォノアンプ VPS-100 SE は設計されています。ノイズレベルを低く抑えるためにゲインは欲張らず、C3g 増幅回路をシンプルな2段構成とし、MMレベル 39 dB の固定ゲインとしています。MCレベルの入力には、別売のステップアップトランスをご用意しています。

信号経路はすべて銀線で構成

VPS-100 SE では、信号経路すべてに自社生産の銀線を採用しています。出力トランスとRIAA 回路のインダクターも銀線です。これらにはエナメル被覆付きの銀線を使用しています。

LCR パッシブ回路によるRIAAイコライザー

RIAA イコライザー回路には、アクティブ型とパッシブ型がありますが、アクティブ型ではフィードバックループが伴うために、音質に与える影響を考慮して Ypsilon ではパッシブ型イコライザー回路を採用しています。RIAAイコライザー回路はコンデンサ(C)と抵抗(R)で構成されるCR型が通常使用されますが、コンデンサーに音楽信号が流れると、「誘電吸収」という現象が起こります。この現象では信号のエネルギーがコンデンサー内の誘電体に蓄積され、わずかな遅延を伴って元の信号に付加されることになり音質の悪化を避けることができません。Ypsilon ではこの CR 回路の音質悪化を避けるために、コンデンサー(C)が信号経路内に入らない LCR 型イコライザー回路を採用しています。

分割型RIAAイコライザー回路

RIAA カーブを構成するフィルターは、2123Hz 極と、50-500Hz 極の2つに分けられます。VPS-100 SEでは、2123Hz 極は初段のゲインステージで浮遊容量の無い空芯コイルにより形成され、50-500Hz極は終段ゲインステージ以降に高信号レベルでLCR回路により形成されます。LCR回路はイプシロン自身が設計製造した出力トランスを介して適切にドライブされます。

スペック Technical Specification

入力インピーダンス

47kΩ/200 pf 

出力インピーダンス

1200 Ω

出力

RCAアンバランス

XLR アンバランス (1,3 Pin ショート)

周波数特性

-3dB @ 10hz-40khz

RIAA精度

+/- 0,5 dB @20Hz-20kHz

チャンネル偏差

< 0,2 dB

ゲイン

39 dB

消費電力

20W

寸法

400 x 180 x 400mm (W x H x D)

重量

25 Kg