FEATURE
ケーブルの原器。Argento Audio のリファレンスライン。
Argento Audio(アルジェント・オーディオ)は1991年、3人の熱烈なオーディオファイルによりデンマークで設立されたケーブルブランドです。ハイエンドオーディオケーブルにおける絶対基準となりうるケーブルを作るため、地道で徹底したリサーチを重ね、決して妥協を許さない究極ともいえるクオリティを持つ製品を世に送り出しています。パーツは全て厳格なスペックを満たすべく Argento Audio で設計、製造が行われる完全オリジナル。音はもちろん、気品に満ちた外観も、Argento Audioの ケーブルフィロソフィーを象徴するものです。
Argento Audio が、「最高のケーブルを作る」という、言葉にすれば単純でありながら大変難解な課題に立ち向かい、3年以上もの歳月を費やして完成させた、理想ともいえるケーブルがこの“Flow”です。
無音から立ち上がる音楽。極限的高S/N
Flow の特徴のひとつは、他のケーブルの追随を許さない圧倒的なS/Nです。演奏者の熱い魂を汲み上げ、音楽を至高の芸術の高みにまで到達させるには、襞の奥底に眠る微細な音までリスナーに届けることが必要です。外来ノイズを徹底的に寄せ付けない独自の構造と、微小振動によるカラーレーションを発生させない素材の最適な選択と配置が、驚異的なまでのS/Nを実現するのです。
ケーブルを Flow に変えた瞬間、音の背景がまさに無音となり、今まで滲んでしまい聴取できなかった細やかなニュアンスまで感じることができます。驚くべきは、Flow がエネルギー感に富みながらも、限りなく静謐という相反する表現を完璧に再現することができるということです。
純銀導体が織りなす気品すら感じる美しいサウンド
Argento Audio では、全ての導体の素材を統一することに重きをおいています。Flow は、導体に形状と結晶構造にこだわり抜いた純度 99.997% の純銀を使用。厳密に長さを合わせた極細導線を撚り合わせた構造とすることで、演奏者の周囲の空気まで再現することを可能にしています。
Flow の導体は、Argento Audio 独自の研磨プロセスにより導電性を妨げる導体表面の被膜を完全に除去。さらに5日間という時間をかけて、2回のサイクルにわたり液体窒素でクライオ処理を施すことで導体表面を滑らかにし、音楽を浮かび上がらせる、驚異的な無音の背景を可能にするのです。
Flow の美しいサウンドは、外観にも表れます。純白のシース、鈍く光る高精度コネクタはまさに Argento Audio の美学の頂点を示すのにふさわしい高貴な佇まいです。さらに Argento Audio のケーブルは大変柔軟なため、機器の端子およびケーブル自体に負荷をかけることが一切ありません。
Flow コネクタ
Flowに使用されているコネクタは、XLR、RCAともに Argento Audio の完全オリジナル。コネクタはノンレゾナンス設計とし、有害な振動を排除しています。接点には導体と全く同一の純銀を用い、また導体との接合にはハンダを一切使用せず Argento Audio の特許である超高圧圧着技術を採用。これによりコネクタと導体がまさしくひとつながりの長い導体となることで、ケーブル全体で極めて低い抵抗値を実現しています。
コネクタ部分の絶縁には、繊維を織り込んだ特殊コンポジットを採用。またピンは中空とし、表皮効果による信号のロスを低減させる徹底ぶりです。ハウジングは一体型の高精度アルミニウム製とし、特許取得の「Contact Pressure Enhancing System」を採用することで機器の端子との確実なコンタクトを可能にしています。さらに導体の張力を軽減する独自の機構を搭載することで、信号がストレスなくスムーズに流れることに最大限配慮しています。
Argento Audio 独自の究極の誘電体“VDM”
誘電体は、ケーブルの音質を決定するうえで大変重要な役割を果たします。今日、誘電体にポリマーを用いたものが多くありますが、ポリマー誘電体の音はハイ上がりでミッドレンジが薄いというマイナスの特徴があります。これを補うために導線に銅を用いたり、また導体を太くするなど対処方はありますが、音は過剰に太くなってしまい、ダイナミクスは制限されてしまいます。
さらに、ケーブルにおいて有害なのが振動です。ケーブルが微小振動することによりマイクロフォニックノイズが発生し音に取り返しのつかないカラーレーションを生じてしまうのです。リサーチの結果、既存の物質では、最適な誘電特性と振動抑制効果を持つものは存在しないという結論に至った Argento Audio は、長年研究開発を行い、ついに電気的な絶縁と機械的なダンピングを理想的に行うことができる物質の開発に成功しました。全帯域において色づけがなく、緻密で驚くほど滑らかで明晰なサウンドを実現した、それが究極の誘電体 “VDM(Vibration Damping Material)”なのです。