FEATURE
ウイルソン・オーディオの伝統を受け継ぐ大型システム
ウイルソン・オーディオの最初のスピーカーは1981年に発表した「WAMM」ですが、これは全高2m程もある大型システムでした。「ALEXX」は、この初代モデルから綿々と続く製品哲学を受け継いだ最新の大型システムです。
ウイルソン・オーディオは製品の技術コンセプトを決して曲げたりはいたしません。初代「WAMM」で世に問うたエンクロージャーのモジュール化と、各モジュールのタイムアライメント調整という技術コンセプトを踏襲し、弛まぬ技術革新の成果を取り入れた最新の成果が「ALEXX」です。
新世代MTMドライバー・ジオメトリー
ツイーターの上下にミッドレンジドライバーを2つ配置するドライバー構成を「MTM(ミッド・ツイーター・ミッド)ジオメトリーと呼んでおります。MTMはミッド帯域に余裕を生み出し中高音域のダイナミックレンジを広げる優れた方式でウイルソン・オーディオの大型システムには必ず採用されている方式ですが、設計チームはこのMTMを再定義し新たな世代のMTMをこの「ALEXX」のために開発いたしました。
新世代MTMでは上下のミッドレンジに異なる口径のドライバーユニットを採用しているところが大きな特徴です。上部に配置されるミッドドライバーは5.75inch径、下部に配置されるミッドドライバーは7inch径としており、MTMの利点を十分に活かしつつミッドレンジの受け持つ帯域を十分に拡げることに成功しています。また2つのドライバーそれぞれのエンクロージャーはそれぞれのドライバー用に最適化されており、2つの異なるドライバーがあたかも1つのドライバーのように一体感を持ってドライブされます。
音楽再生に決定的な影響力を与えるミッドレンジ帯域を、ダイナミックレンジと周波数レンジの両方で完全にカバーする新世代MTMが「ALEXX」の完成度を決定付けています。
Timing is Everything
ディビッド・ウイルソンが最初の製品「WAMM」を開発した当時から、ダイナミックで調和のとれた音楽表現のためには、リスナーから見たそれぞれのドライバーの位置合わせがものすごくデリケートに影響することに気がついていました。
それ以来、数多くのリスニングと詳細な研究により、ダイナミックコントラストとハーモニック表現を正確に再現するためには、ウーハー、ミッドレンジ、ツイーターによって生成される波形の先端が正確に同時にリスナーの耳に届く必要があることが確認されています。 耳/脳のメカニズムは時間的なズレに対してはものすごく敏感なのです。
MTM構成の3つのミッド・ツイーターモジュールは、非球面のカーブに沿って配列されており、それぞれのモジュールは角度と前後位置を可変することにより、リスニングポジションにおけるタイムアライメントを最適に調整することを可能にしています。