FEATURE
ハイパワーとデリカシーの両立!
半導体、真空管、トランスなどのオーディオデバイスと電気回路を知り尽くした設計者デメトリス・バッカラスが、自身の知識と経験を全て注ぎ込んだパワーアンプです。シングルエンド・クラスAアンプの持つ精細な再現性と、8Ω370Wというハイパワーを見事に両立しています。
真空管による入力段とMOSFETを使用した出力段で構成された
2ステージ・ハイブリッド構成
HYPERIONではグローバルフィードバックをゼロとしたゲイン段2つだけのピュアな信号経路で 370 W の大出力を実現しています。低インピーダンスの双三極管をクラスA動作させる入力段と、MOSFETによる出力段のハイブリッド構成。出力段は全く同じ特性を持つシングルエンド回路ふたつをブリッジ接続させたフローティングバランス方式。出力100W (8Ω) まで クラス A で動作いたします。
チョークを使用した各段独立電源
入力段と出力段で独立した電源回路。入力段では真空管整流器を使用。入力段・出力段ともに独立したチョークフィルタを使用し電源リップルの悪影響を完全に取り除き安定かつ潤沢なエネルギーを供給します。電源トランスは超静寂な作動を実現するために最新の注意が払われて製造されています。電解コンデンサは定評ある独MUNDORF製を採用。トータル 112,800 マイクロファラッド の大容量。
銀線を手巻きした、信号経路内のふたつのトランス
自社でトランスを設計・製造できることは、Ypsilon の大きな強みです。その強みをこの HYPERIONでもいかん無く発揮。信号経路内に銀線を手巻きした入力トランスと段間トランスの2種類のトランスを配置しています。入力トランスにより入力信号を完全バランス化して入力段に送りこみ、その出力は次に段間トランスに送られます。段間トランスは、真空管の出力インピーダンスを下げて出力段とのマッチングをとると同時に、出力段回路の片側を位相反転させる役割を担います。
特性を完全に揃えた二つのシングルエンドアンプによる出力段
段間トランスでバランスの片側を位相反転させることにより、バランス回路を構成するふたつのシングルエンドアンプは全く同一の回路を使用することが可能になります。回路のばらつきによる滲みやカラーリングが皆無となり、ブリッジ接続による大出力とシングルエンドアンプのデリカシーが見事に両立されます。
電源部を含め信号経路はすべて銀線で構成
入力トランスと段間トランスを含め、信号経路とみなせる内部配線は全てテフロンで絶縁された自社製銀線を使用。電源部においても電解コンデンサ以降の全ての配線に銀線を使用。